2023-08-05 残像 うた 残像… 残像を探して同じポーズをとってみる悲しいほど私は足が短く あなたのフリにもならなかった 仕方なしにその場所を せつなげになでて触れた 夏の朝 キャリーカートのタイヤの音を かき消すほどに鳥たちの声はまだ暗いというのにけたたましかった 夏の薄く透けたブラウスに抜ける風は少し肌寒く 誰かが夢と言えばそれは夢なのでしょう 誰かが事実だと言えばそれは事実なのでしょう そのくらいの跡形も無しにその黒い影はすりぬけていった 朧気な残像だけを残して