ikoriのブログ

あふれてしまいそうなこと わすれてしまいそうなこと おぼえていたいこと  かんじたこと 日常の記録

滲む

 

 

滲んでいた 
その街が滲んでいたのか 
街をみつめる目が滲んでいたのか… 

 

滲んでいた……

 

 

雪は、溶けていた

街にふる 珍しい雪

 

でもそれは
跡形もなく 雨に溶けて
消えていった…

 

白かったはずの街は
いつの間にか …滲んでいた
わたしの目が、滲んでいるのか

それはわからなかった 

 

 

雪は消えた
跡形もなく

 

それは
まるで夢だったのだよ と

 

手のひらに舞い降りた雪が
刹那に水滴となるように

つかめないものへと
スッと音もなく消えていった

雪は水に姿を変えて
また帰るべきところへ
泳いで行った

 

 

だから 街は滲んでいたんだ
…白き雪の名残を惜しんで